事業情報

浜松ファーマリサーチの特長

  • 非臨床試験と臨床試験の有効性の乖離に着目

    非臨床試験では通常マウスやラット、モルモットなどの小動物が多く用いられています。ここで有効とされた新薬候補物質がヒトを対象とする臨床試験へ進みますが、そのうち承認申請段階へ進めるのはわずか3.4分の1の確率です。承認申請へ至らないプロジェクトは製薬会社において研究開発の大きなリスクとなっています。※出典:医薬品産業ビジョン2013資料編 厚生労働省

  • ヒトの病態を正確に反映した、外挿性の高いモデルを確立

    非臨床試験と臨床試験の乖離は、小動物とヒトの間にある大きな「種差」が原因となることが多くあります。当社では、この乖離をより小さくするため、非ヒト霊長類(NHP)を用いた新規薬効評価体系のビジネスモデルを構築し、効率的な新薬の開発をサポートします。

浜松ファーマリサーチの特長

浜松医科大学で開発したPIT法を基幹技術とする大学発ベンチャー

研究開発・設備

非臨床試験の薬効薬理試験に特化

非臨床試験とは

「非ヒト霊長類」を用いた新規病態モデルを開発

受託可能な新病態モデル

世界でも稀なヒトと同じ検査方法が使える「非ヒト霊長類」を使用

カニクイザルの有用性とは

非臨床試験とは

創薬プロセス効率化のカギを握る「非臨床試験」

新たな医薬品の研究開発は、基礎研究で新薬候補物質(シーズ)を生み出すことを出発点に、その有効性・安全性を実験動物を用いて評価する「非臨床試験」、さらにヒトでの「臨床試験」で評価した後、新薬としての「承認申請」を行い、承認申請へと進みます。
ひとつの医薬品が製品化される期間はおよそ9~17年。その間に500億円超の開発費を要すとされています。しかし、臨床試験開始後の成功確率は減少傾向にあるといわれており、製薬企業の研究開発コストは増大、創薬の研究開発リスクの高まりが指摘されています。
「非臨床試験」は、実験動物を使用してシーズの有効性を評価し、その後安全性を確認する2段階に分かれています。有効性を確認する「薬効薬理試験」では、一般的にマウス等の小動物が使用されることが多く、ヒトとの間には種差があり、非臨床試験で絞り込まれた新薬候補が臨床試験でヒトへの有効性を認められないことで開発中止となり問題化しています。浜松ファーマリサーチはこの点に注目し、ヒトに近いサルを実験動物として使用することで種差を乗り越え、創薬プロセスの確実性を高めることができると考え、非臨床試験の「薬効薬理試験」に事業領域を特化して研究活動を精力的に行っています。

カニクイザルの有用性

解剖学的にも生理学的にもヒトに最も近い実験動物「カニクイザル」

カニクイザルは、脳の構造と血管支配、そして二足歩行が可能など解剖学的にヒトに類似した霊長類です。また、タンパク質の構造等(抗体の認識性、血液成分)でも、ヒトに近似した研究に適しており、生理学的に安全性試験に古くから供用されてきましたが、薬効薬理試験での使用例は稀です。
サルによる薬効薬理試験が稀なのは、既存の病態モデルがほとんどないことや、ハンドリング可能な多数の研究者が必要、高額な研究費が必要なことが挙げられます。当社では、霊長類のハンドリング技術に長けた優秀な薬理研究者が多数在籍しており、この分野に特化したビジネスモデルが高い競争力を保持しています。

受託可能な新病態モデル

日本から世界へ、NHPを用いた新規開発モデルを構築

当社で受託可能な非ヒト霊長類(NHP)を用いた病態モデルには、滲出型加齢黄斑変性、変形性膝関節症、抗がん剤誘発疼痛、FDAが推奨する脳梗塞、ヒトと同じ4大症状が出現する唯一のモデルであるパーキンソン病、ヒトと血液成分の種差がない実験が行える血栓モデル等があります。開発中のパイプラインにおいては、萎縮型加齢黄斑変性、緑内障、非アルコール性脂肪肝炎、子宮内膜症、潰瘍性大腸炎などがあります。
今後さらに新領域へもチャレンジしてまいります。

※FDA(Food and Drug Administration of the United States Department of Health and Human Service):米国食品医薬品局。 日本の厚生労働省にあたる米国厚生省に属する。

ビジネスフロー

非臨床試験に特化したビジネスモデルで、創薬研究を効果的に支援しています。

浜松ファーマリサーチは、主に非ヒト霊長類(NHP)を用いた非臨床試験に特化した創薬支援企業として、製薬会社のR&D部門から新規医薬品候補物質の薬効薬理・薬物動態試験を受託しています。
浜松医科大学との緊密な提携により、同大独自の「PIT法」を基幹技術に、既存/独自開発の病態モデルを用いた高精度な試験で得られたデータを納入。受託した候補物質の有効性が認められない場合にも、貴重なデータとしてその後の合理的かつスピーディな研究開発にご活用いただいています。
当社独自のNHPを用いた非臨床試験を中核とするビジネスモデルにより、創薬研究を支援し、さらには人類の健康に貢献してまいります。

薬効薬理試験

脳梗塞や中枢神経性の疾患、難病など、現代において新薬が望まれる様々な領域において、私たちの薬効薬理試験が有効に実施されています。小動物はもとより、より人間に近い非ヒト霊長類(NHP)による実験・評価のフィードバックが、人類期待のさまざまな薬効薬理のイノベーションへと繋がります。

中枢神経系疾患

小動物およびサルを用いた実験的局所脳虚血モデル(急性期/慢性期)、パーキンソン病モデルの研究開発に力を入れています。
カニクイザル脳梗塞モデルでは、虚血前のトレーニングにより、高度な行動薬理試験が可能です。また、MRIによる脳梗塞の経時的な解析も可能です。カニクイザルパーキンソン病モデルでは、各種トレーサーを用いたPETによる機能解析も可能です。

■脳梗塞急性期・慢性期モデル
  1. 中大脳動脈(MCA)血栓モデル(PIT model)――サル、ウサギ、ラット
  2. 中大脳動脈(MCA)永久閉塞モデル(Tamura model)――サル、ラット
  3. 中大脳動脈(MCA)一過性閉塞モデル(Koizumi model)――サル、ラット
  4. 中大脳動脈(MCA)塞栓モデル――サルのみ
評価項目
  1. ・梗塞サイズの定量(TTC染色、MRIによる連続測定)
  2. ・各種機能評価(急性期から慢性期まで))
    サル :餌取り行動、アップルテスト、テープ剥がし行動
    ラット:神経症状観察、Rota-rodテスト、Stepテスト、テープ剥がし行動

被験物質の作用機序などから、適切なモデル選択のご提案をいたします。
リハビリテーション効果増強剤の評価、Therapeutic Time Window試験など、お気軽にご相談ください。

■パーキンソン病モデル(マウス・ラット・サル)

MPTP全身投与モデル

  1. ・カニクイザルのモデルでは、4大症状(振戦、固縮、無動、姿勢反射障害)の評価が可能
  2. ・対症療法剤の評価に適している

MPTPヘミパーキンソン病モデル

  1. ・サルをトレーニングすることにより、餌取り行動などを指標にした機能評価が可能
  2. ・脳保護剤の評価に適している

※MPTP処置動物の提供も可能です。

疼痛疾患

■急性痛モデル(マウス)
  1. ホットプレートテスト
  2. ホルマリンテスト
  3. 酢酸ライジングテスト
■神経因性疼痛モデル
  1. 脊髄神経部分切結紮(SNL)モデル(ラット)
  2. 絞扼性神経損傷(CCI)モデル(ラット・マウス)
  3. 坐骨神経部分損傷(PSNL)モデル(ラット・マウス)
  4. STZ誘発糖尿病性神経障害モデル(ラット)
  5. 抗がん剤による神経障害モデル(ラット・サル)
  6. 脊髄損傷後アロディニアモデル(ラット)
■炎症性疼痛モデル(ラット)
  1. カラゲニン誘発モデル
  2. CFA誘発モデル
■変形性膝関節症モデル(ラット・サル)
  1. MIA誘発モデル
  2. 内側半月板摘出(MMx)誘発モデル(半月板損傷モデル)
■その他疼痛モデル
  1. 術後痛モデル(ラット)
  2. がん性疼痛モデル(マウス)
  3. カプサイシン誘発アロディニアモデル(サル)

循環器系疾患

PITモデル(Photochemical Induced Thrombosis)をはじめ、様々な血栓モデルを開発しています。
また、バルーン傷害による壁在血栓の作製も可能であり、超音波診断装置やMRIによる画像診断技術を用いた定量評価が可能です。

■血栓モデル(ラット・サル)/動脈硬化モデル

PITモデル

  1. ・大腿動脈
  2. ・伏在動脈
  3. ・頸動脈 など

AV Shuntモデル

  1. ・サルは繰り返し使用可能
  2. ・絹糸法と銅線法に対応可能

塩化第Ⅱ鉄モデル

  1. ・大腿動脈
  2. ・伏在動脈
  3. ・頸動脈

サル壁在血栓モデル

サル動脈硬化モデル

カニクイザル血栓モデルでは、出血時間測定やEx Vivo血小板凝集能測定との組み合わせも可能です。
血栓の作製方法としては、PITモデルが優れており、各種動物、血管に対応可能です。
お気軽にご相談ください。

泌尿器疾患

■過活動膀胱モデル(ラット・サル)
  1. 脳虚血モデル(ラット)
  2. 認知症モデル(ラット)
  3. パーキンソン病モデル(ラット)
  4. 脊髄損傷モデル(ラット)

ATP誘発過活動膀胱モデル(サル)

  1. ・覚醒下または麻酔下での膀胱機能評価(シストメトリー法)

消化器系疾患

炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)の動物モデルとして、
マウスを用いたクローン病モデル(TNBSモデル)と潰瘍性大腸炎モデル(DSSモデル)を整備しています。

過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)の動物モデルとして、
ラットを用いたTNBS誘発大腸痛覚過敏モデルおよびストレス誘発排便亢進モデルを整備しています。

■クローン病モデル(マウス)

TNBSモデル

評価項目

Disease Activity Index、Macroscopic Scoring

■潰瘍性大腸炎病モデル(マウス)

DSSモデル

評価項目

Disease Activity Index 大腸の比重

■TNBS誘発大腸痛覚過敏モデル(ラット)
評価項目

大腸痛覚閾値(Colonic nociceptive threshold)

■ストレス誘発排便亢進モデル(ラット)
評価項目

排便重量(湿重量、乾燥重量)

TNBS処置動物を用いた評価も実施可能です。

眼科領域疾患

■ドライアイモデル(ラット)
■結膜炎モデル(ラット)
■滲出型加齢黄斑変性症モデル(サル)

レーザー誘発性脈絡膜新生血管(CNV)モデル

その他

下記病態モデル以外の受託試験につきましてもお気軽にご相談ください。
小動物およびサルを用いた新規病態モデルの開発研究にも精力的に取り組んでいます。

■炎症疾患

アトピー性皮膚炎モデル(マウス)

マウスを用いて、アレルギー反応によって引き起こされる、アトピー性皮膚炎(発赤、痂皮形成、浮腫等)を評価。

■唾液分泌量の測定(ラット・サル)

ラットCotton法

  1. ・雄性SDラットを使用
  2. ・予め重量を測定した綿棒を用いて、口腔内の唾液を経時的にふき取る。
  3. ・測定はすべて覚醒下で実施。

カニクイザルCotton法

  1. ・雄性カニクイザルを使用
  2. ・モンキーチェアに座らせた状態で実施。
■皮膚欠損創モデル

薬物動態試験

サルを用いた薬物動態試験を実施しております。レンタルサルのご使用も可能です。 試験前日のプロトコール変更にも対応可能など、迅速な対応を心がけています。

カニクイザル薬物動態試験(PK試験)

血漿サンプル採取
尿サンプル採取
髄液サンプル採取
ブランク血漿の販売

研究開発・技術情報

新規サル病態パイプライン

※2016年3月現在

疾患 ターゲット疾患 モデル 開発ステージ
企画 条件検討 最適化 受託可能
計画中
開発中
眼科 加齢黄斑変性 萎縮型 網膜光障害 new
   
緑内障 レーザー誘発 new
消化器 炎症性腸疾患 化学物質誘発性
代謝系 非アルコール性脂肪肝炎 高脂肪食負荷 new
生殖器 子宮内膜症 自然発症

施設・設備情報

産学連携の強みを活かした開発環境と設備
浜松医科大学と連携した独自のPIT法を基盤に効果的な創薬へチャレンジ

当社は、浜松医科大学発のベンチャー企業として、産学連携体制を強化しており、大学内の分子イメージングセンターを有効活用するなど、最新の画像診断装置による解析を行っています。
浜松医科大学では、独自のPIT法を基幹技術に、画像診断装置の拡充に力を入れ、小動物用PET/SPECT/CTをはじめ、MRIやCTの臨床機を動物実験に活用できる体制を築いております。非臨床研究の段階から画像診断技術を組み込むことにより、臨床予測性の高い病態モデルの開発や新規医薬品の効率的な開発が可能です。
また、自社研究拠点として中央研究所とPrimate Center(300頭のカニクイザルを飼育可能)を有し、当社の特長である非ヒト霊長類(NHP)による非臨床試験の推進に充分な環境を整えています。

浜松医科大学内の画像診断装置


MRI

小動物PET/SPECT/CT

CT

Primate Center

飼育室8室 飼養可能頭数約300頭
薬理実験室2室
レントゲン室1室
試薬調製室1室
  1. レンタルラボ3室
  2. 信頼性基準下でのデータ採取(non-GLP)
  3. AAALAC完全認証(2015年6月19日:Unit No.1564)

サル飼育室

実験室

血管造影装置DSA

中央研究所

ラット・マウス飼育室 6室
ウサギ実験室 1室
薬理実験室 6室
試薬調製室 1室
生化学実験室 2室
  1. 信頼性基準下でのデータ採取(non-GLP)
  2. AAALAC完全認証(2015年6月19日:Unit No.1564)

PIT法

PIT(Photochemically-induced thrombosis)法とは

緑色光と光感受性色素(ローズベンガル)との光化学反応を利用した血栓作製法。
光感受性色素が特定波長の光を吸収することにより生成する一重項酸素が血管を傷害し動脈を閉塞させます。この方法はPhotothrombosis modelといい、従来、レーザー光と色素を利用した血栓作製方法でしたが、レーザー光の発生装置が高価なためほとんど普及していませんでした。
1991年に浜松医科大学薬理学講座の中島光好教授(現浜松CPT研究所所長)らにより、レーザー光の代替法として、比較的安価な緑色光発生装置と光感受性色素のローズベンガルを利用した方法が考案されました。現在では同講座(梅村和夫教授)はもちろんのこと、世界中の研究者によって広く用いられ、多くの研究成果を得ています。
PIT法は、各種動物の様々な血管において血栓による血管閉塞が可能であり、血栓に関する研究はもとより、血管肥厚、突発性難聴、心筋梗塞等の分野で基礎研究の進歩と治療薬の開発に貢献しています。

血栓生成の原理

予め生体にローズベンガルを投与しておき、目的の血管に緑色光を照射することにより照射部位で一重項酸素が発生し、その部位の血管内皮細胞が傷害を受けます。
ローズベンガルは、血中ではほとんどがアルブミンと結合していて血管外へ漏れることはないため、光を照射した部位のみ傷害を惹起できます。 また、一重項酸素は非常に短寿命のため、他の血管に影響しません。血管内皮細胞が傷害を受けるとすぐに血管壁に血小板が粘着し、それが足場となって血栓が成長し、動脈閉塞に至ります。

PIT法の特徴

  1. ローズベンガルも緑色光も、単体では生体に対する侵襲はほとんどない。
  2. 血栓の生成が容易で再現性が良い。
  3. 生成した血栓は疾患の成り立ちと類似しており、疾病の発生機序の解明や治療薬の開発に最適である。

統計解析

霊長類を用いた薬効薬理試験では、特殊な統計解析が必要になる場合があります。
当社ではそのような場合、専門家のアドバイスを受けられる体制を整えております。
アドバイザー:東京理科大学工学部情報工学科 浜田知久馬教授

研究論文

Antinociceptive effect of clinical analgesics in a nonhuman primate model of knee osteoarthritis

Ogawa, S., Awaga, Y., Takashima, M., Hama, A., Matsuda, A., Takamatsu, H.

European Journal of Pharmacology. 2016; 786: 179-185

Knee osteoarthritis pain following medial meniscectomy in the nonhuman primate

Ogawa, S., Awaga, Y., Takashima, M. Hama, A., Matsuda, A., Takamatsu, H.

Osteoarthritis and Cartilage. 2016; 24(7): 1190-1199

Pharmacological comparison of a nonhuman primate and a rat model of oxaliplatin-induced neuropathic cold hypersensitivity

Shidahara, Y., Ogawa, S., Nakamura, M., Nemoto, S., Awaga, Y., Takashima, M., Hama, A., Matsuda, A., Takamatsu, H.

Pharmacology Research & Perspectives. 2016; 4(1): e00216

Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathic Pain and Rodent Models.

Hama, A., Takamatsu, H.

CNS & neurological disorders drug targets. 2016; 15(1): 7-19.

Beyond Rodent Models of Pain: Non-Human Primate Models for Evaluating Novel Analgesic Therapeutics and Elaborating Pain Mechanisms.

Hama, A., Toide, K., Takamatsu, H.

CNS & Neurological Disorders - Drug Targets (Formerly Current Drug Targets - CNS & Neurological Disorders) 12(8) · December 2013.